借金返済時に遅延利率があるけど、過払い金の請求は可能?

借金返済時に遅延利率があるけど、過払い金の請求は可能?

借金返済を更に苦しめる遅延利率とは?

カードローンなどでお金を借りると、元本+利息の返済が終了するまで、毎月期日までに決まった額を返済しなければなりません。この期日を1日でも過ぎてしまうと、ペナルティが発生し、通常の金利よりも高い金利での返済をしなくてはならなくなります。この時の利率を遅延利率と呼びます。

平成22年に利息制限法の改正があり、遅延利率の上限が20%となりました。ですが、それ以前の遅延利率は、通常に設定されていた利率の1.46倍まで設定してよいことになっていました。つまり、50万円の借金の上限利率は18%ですが、支払いが遅延してしまうと18%の1.46倍にあたる26.28%もの利息を払わなくてはなりませんでした。

通常の金利でさえ楽でないのに、26.28%なんてとんでもない利率です。だからといって、1日また1日と遅れると更に遅延損害金が増えていきます。遅延損害金は「借入残高 x 遅延利率/365 x 返済期限からの遅れ日数」で計算されるので1日でも早く払ってしまうことが大切です。

この遅延利率が適用されるのは、多くの場合は支払い期日に遅れた返済分のみで、次回以降の返済を期日通りに行っていけば、また元の利率に戻ります。しかし、ローン会社によっては、1日でも遅れたら、それ以降の返済を全て遅延利率で計算すると主張する会社もあります。そのようなことになれば、借金返済が更に大変になってしまいます。

この辺りは、素人が交渉するのは難しい領分になってくるので、1度専門家に相談すべきでしょう。
いずれにしても、利率が急激に跳ね上がる遅延利率の発生は、絶対避けるべきです。

過払い金が発生する3つの条件

借金の返済中に、うっかりや、返済のやりくりが上手く行かずに遅延金が発生しまった場合、過払い金の請求は可能なのでしょうか。返済が遅れて、ペナルティ的な遅延金を払ってしまったことによって、過払い金請求の権利まで逸してしまったように思う方も少なくなくようです。

過払い金請求ができるか、できないかには3つの条件があります。それは、「利率」、「借入期間」、「請求権利がまだ有効であること」の3つです。遅延利率が発生していないといった条件はないので、ご安心ください。それぞれについて解説してゆきましょう。

まずは、「利率」です。
過払い金というくらいですから、ローン会社に対して、多く返済してしまっていることが前提条件です。この「多く」という条件に関わるのが「利率」です。ローン会社は、利息制限法の範囲で利率を設定し、お金を貸すことが認められています。借りた額にもよりますが、例えば100万円の場合、15%が利息制限法の定める上限利率です。

ところが、出資法という法律では、ローン会社は29.2%までの利息を受け取ってもいいことになっていました。この利息制限法の上限と出資法の上限の間の金利を、グレーゾーン金利といいます。このグレーゾーン金利で支払っていた借金返済を、利息制限法の金利に引き当て直し計算をし、実際に払った額との差が過払い金です。

もし、返済期日を過ぎてしまった場合は、遅延利率で計算されている期間が発生します。この場合でも同様に、引き直し計算を行います。利息制限法の15%を1.46倍すると21.9%となり、これが本来の遅延利率です。グレーゾーン金利で計算をしていた場合は、これよりも高い遅延利率で計算されていることも多いので、しっかりと過払い金は発生しているはずです。

返済期日に遅れたことはよいことではありませんが、それはそれとして払いすぎ分はきっちりと請求する権利があるのです。ローン会社によっては、この延滞利率も法的基準よりも高く設定していたケースがあります。そのようなケースでは、過払い金が一層大きくなることもありえます。

次のポイントは「借入期間」です。

過払い金そのものは、1、2年程度の短い取引でも発生はします。ですが、金額自体が少なく、多くの手間をかけてしまうと手間を金額が割に合いません。少なくとも3年以上、できれば7〜10年程度の長期借入期間があった場合、まとまった金額の過払い金となります。

最後のポイントは、「請求権利がまだ有効であること」です。
過払い金の請求には、時効があります。それは、完済してから10年です。これを過ぎてしまうといくら過払い金が眠っていても請求できなくなってしまうので、過去に長期に渡って消費者金融などを利用していた場合は、早めの対策が肝心です。

遅延損害金にも利息がつく!?

過払い金は払いすぎたお金なのだから、ぜひとも返してもらうべきです。それも、ただ返してもらうだけでなく、利息つきで返金を求めることが可能です。ローン会社との間に過払い金が発生すると、その都度年5%の利息が発生するのです。従って、利用期間の長い方は、過払い金返却と同時に、利息を請求することで金額が大きく変わってきます。

この利息は、返済に延滞があった際の遅延損害金でも同様です。遅延損害金が、利息制限法を超える遅延利率で計算されていた場合など、遅延損害金にも過払い金が発生しています。つまり、ここにも年5%の利息が発生するのです。

返済の遅れは、あってはならないことですが、それを気にしすぎてその他の権利を放棄する必要は全くありません。ちゃんと利息分も計算して、正当な金額の返金を要求すべきです。

困ったときは専門家に相談しよう

遅延利率とはどういうものか、借金返済時に遅延があっても過払い金請求は可能で、利息分も請求できるということを紹介してきました。

ところが、ローン会社によっては異なった主張をしてくるケースがあります。それは、1日でも返済日を遅れた場合は、その日以降全ての金利を遅延利率で計算すべきという主張です。例えば、18%で借りていたお金が、月の返済日を1日遅れたらその日以降は全て、1.46倍の26.28%で計算すべきという主張です。

この主張が通った場合、過払い金は発生しないか、発生したとしてもかなり金額が少なくなってしまいます。ですが、このようなケースで裁判になった場合、ローン会社の主張が認められないケースがほとんどです。

長い取引の間、1、2ヶ月遅延期間があったからといって、以降の金利を全て遅延として扱うというのは、感覚的には違和感があります。実際の裁判でもこのような主張は、「信義則違反」として却下される可能性が高いので、ローン会社と揉めた場合でも、裁判に持ち込めば十分勝機はあります。

しかし、正直なところローン会社としては、過払い金返金は行いたくない、行うとしても金額を減らしたいというのが正直なところでしょう。そして更に、払うにしても、できるだけ先延ばしにしたい、とも考えるはずです。そうなると裁判でも、1審で終わらず2審になって新たな材料を持ち出してくるなど、あの手この手で反論をぶつけてくる可能性もあります。
契約中に発生した返済遅延は、ローン会社にとっては最後の反撃のチャンスともいえるものなので、

あれこれと主張を展開してくるローン会社もあります。このようなローン会社に真正面から渡り合うには、専門家に任せるのがベストです。過払い金請求の理屈からも、過去の判例からも返済遅延は、過払い金の金額に影響を及ぼすことはあっても、それが理由で過払い金請求ができないということはありません。

正当な権利として、過払い金を取り戻したいとお考えであれば、ぜひとも専門家への相談をご検討されてみては、いかがでしょうか。

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