連帯保証人と過払い金は関係ある?保証人でも過払い金請求できる?

連帯保証人と過払い金は関係ある?保証人でも過払い金請求できる?

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2018.07.05

連帯保証人が過払い金を請求することは可能?

過払い金請求をできるのは債務者本人以外のケースもあります。連帯保証人が設定されている借入で債務者本人が返済できない場合、連帯保証人が返済を肩代わりすることになります。

この連帯保証人が返済した際、過払い金が発生していた場合は連帯保証人でも過払い金請求をすることが可能です。つまり、貸金業法改正による2008年以前の借入で連帯保証人として返済をしていた場合には過払い金請求ができる可能性があります。

過払い金請求は借りた本人じゃなくても請求できる

過払い金請求というのは、「支払いすぎた利息を取り返すためのもの」です。つまり、債務者本人ではなく連帯保証人であっても「返済した実績」があれば過払い金請求はできるということになります。

連帯保証人が請求することができるケース

連帯保証人が過払い金請求をする際には2つのケースが考えられます。

(1) 過払い金が発生したのが債務者本人が返済しているタイミングで、そのまま返済不能になり、連帯保証人がそのまま返済し続けたケース

(2) 過払い金が発生したのが連帯保証人が返済しているタイミングのケース

これらは似ているようですが、請求できる人が変わってくるのでよく読んで理解するようにしましょう。

(1)のケース

過払い金が発生したのが債務者本人が返済しているタイミングで、そのまま返済不能になり、連帯保証人がそのまま返済し続けた場合、過払い金請求をできるのは債務者本人と連帯保証人の両方です。

たとえば、Aさんが100万円の借入を行い、頑張って80万円まで返済したのですが、返済不能になり、残りの20万円をBさんが返済したというケースです。実は法定金利で引き直し計算してみると50万円の時点で完済していることが発覚しました。

この場合、過払い金は50万円となります。Aさんは80万円まで支払っていたので30万円、Bさんは20万円の過払い金を返還してもらえるということになります。

(2)のケース

過払い金が発生したのが連帯保証人が返済しているタイミングの場合、過払い金請求をできるのは連帯保証人のみで、債務者本人はできません。

たとえば、Aさんが100万円の借入を行い、頑張って40万円まで返済したのですが、返済不能になり、残りの60万円をBさんが返済したというケースです。実は法定金利で引き直し計算してみると50万円の時点で完済していることが発覚しました。

この場合も過払い金は50万円となりますが、Aさんは40万円までしか返済していないので過払い金は発生していません。Bさんは50万円の過払い金を返還してもらえるということになります。

債務者と連帯保証人の代理請求は可能?

債務者本人と連帯保証人は一種の共同体です。そのため、過払い金が発生した場合はどちらが請求しても良いように考える人もいます。実際にはどうなのでしょうか。

債務者が連帯保証人の代わりに過払い金請求することは可能?

連帯保証人が返済した借金に過払い金が発生していることに気づいた債務者本人が連帯保証人の代わりに過払い金請求をすることはできません。過払い金請求をできるのは支払った本人にしかできない規則になっています。こういう場合は連帯保証人に連絡を取り、本人に過払い金請求をしてもらう必要があります。

連帯保証人が債務者の代わりに過払い金請求することは可能?

債務者が返済している借金に過払い金が発生していることに気づいた連帯保証人が過払い金請求をすることもできません。こちらも同様の考えで、過払い金を払った人しか過払い金請求はできないのです。たとえ、債務者本人と親しい間柄であっても、親兄弟であっても過払い金請求を代理で行うことはできません。

連帯保証人が債務者の同意なしに過払い金請求することは可能?

これは可能です。連帯保証人は債務者の同意がなくとも自分の過払い金請求をすることができます。連帯保証人が実際に返済して払った中で過払い金が発生していると気づいたのであれば、自分自身で返還請求することができることになっています。

連帯保証人でも代理請求ができるケース

連帯保証人でも代理請求ができる場合があります。しかし、過払い金請求は原則本人だけが行うことになっています。どのような時は連帯保証人でも代理請求できるのでしょうか。

代理請求可能なケース

たとえば、債務者本人が病気やケガで動けないといった事情がある場合は代理請求することができます。ここで重要なのが本人に過払い金請求をする意思があることを確認しなくてはいけません。債務者本人が病気やケガをしたからといって勝手に過払い金請求をしてしまうと「無権代理」といって手続きが無効になってしまします。このときに必要なのが「委任状」です。

委任状があれば代理請求は可能

本人が病気やケガなど、なにかしらの理由で動くことができない場合には委任状を用意することで代理による過払い金請求をすることが可能です。また、認知症や精神疾患で本人に判断能力が無い場合はどうすれば良いでしょうか。こういったケースでは裁判所に申し出て成年後見人になる必要があります。成年後見人であれば本人の代わりに過払い金請求をすることが可能です。

債務者が亡くなった場合は相続人なら請求可能

債務者本人が亡くなってしまっている場合は委任状を作ることもできないので、相続権を持つ遺族であれば請求手続きを取ることが可能です。

遺族が過払い金請求をする場合は亡くなった債務者本人(故人)の戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本および遺産分割協議書を用意する必要があります。これらの書類手続きをすることで本人以外であっても過払い金請求をすることができるようになるのです。

連帯保証人がいる過払い金請求のポイント

連帯保証人がいる過払い金請求をするときは以下のことに注意しましょう。

基本的に債務者や連帯保証人がお互いの過払い金請求をすることはできない

過払い金請求をできるのは原則として過払い金が発生している本人のみです。そのため、債務者や連帯保証人がお互いの過払い金請求をすることはできません。それぞれが弁護士に依頼して過払い金請求をする必要があるということです。

連帯保証人がいなくても過払い金請求は可能

債務者と連帯保証人のどちらにも過払い金が発生している場合に、債務者だけで過払い金請求を行うと、「連帯保証人がいないと過払い金を返還することができません」という貸金業者がいます。しかし、過払い金請求はどちらか一人だけでも請求することが可能です。

債務者本人がいなくても過払い金請求は可能

連帯保証人だけが過払い金請求をすると「債務者本人と連絡が取れないと返還することはできない」というような業者もいます。しかし、法的には債務者本人がいなくても過払い金請求は可能です。

過払い金請求は個人でも行うことができますが、法律の知識がないとうまく業者にいいくるめられてしまう可能性もあります。債務者本人と連帯保証人は一蓮托生ですが、なんでもかんでも一緒というわけではありません。

とくに過払い金請求の場合はどちらか片方でも請求することができます。こういうときには弁護士などの専門知識を持ったエキスパートに依頼したほうが、不足の事態にも対応することができます。また、連帯保証人が代理請求をする際には「委任状」が必要であり、委任状の知識がない場合は弁護士に相談してみると良いでしょう。

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