請求金額の算定で損をしない過払い金の計算方法とは?

請求金額の算定で損をしない過払い金の計算方法とは?

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2018.07.05

過払い金の定義を間違えると損をする

払い過ぎた利息の意味

連日テレビコマーシャルや各種の紙媒体の広告などで見かける「過払い金請求」ですが、払い過ぎた利息の返還を求める手続きを表現する言葉として定着したといっても過言ではないでしょう。

払い過ぎた利息を取り戻すといわれるのは、過払い金が生じるメカニズムに理由があります。何に対して払い過ぎなのかといえば、利息制限法に定められた制限利率によって算出される金額に対してです。そのため、払い過ぎているのは利息だということになります。

ただ、過払い金請求の「過払い」とは、利息制限法で計算した結果、法的に支払う義務がある「元本と利息を合わせた合計額」よりも「トータルで多く支払った場合」の超過部分をいいます。単純に利息の超過分という理解をしていると、計算結果が実際の過払い金よりもかなり少ない金額になってしまうおそれがあります。

なぜなら、毎回の支払うべき利息が実際に払った額よりも少なくなるということは、利息計算の対象となる元本も実際よりも毎回少なくなっているからです。

たとえば、借金の元本が50万円の場合、利息制限法の制限利率は年利18%です。ザックリと1年借りたままなら9万円の利息が付きます。もし、年利20%で契約した場合は10万円の利息となり、その差は1万円です。

そして、この1万円の差額は単に利息の差ではなくなります。20%で計算した場合は10万円を返済しても元本の残高は50万円のままですが、18%なら10万円のうち差額となる1万円が元本の返済に充当されるため、残高が49万円となり、その後の利息が大きく違ってきます。次回から払い過ぎた利息は1万円よりも多くなるのです。ここを勘違いすると損をしかねません。

元本の残高があれば過払いではない

もうひとつ、過払い金の定義で勘違いされやすいパターンがあります。それは、利息制限法の利率よりも高い利率で返済したことがある場合に、イコール過払いだという勘違いです。

たとえば、50万円を29%の利率で借りたとします。1度でも返済すれば利息制限法の制限利率である18%よりも多く支払ったことは確かです。しかし、数回の返済では超過分を元本の返済に充当して再計算したところで、元本のほとんどが残っています。

つまり、返すべき借金が残っている状態ですから過払いとはいえません。たとえ残高が1円でも、0円でも同じことです。過払いとは、あくまでも元本がマイナスになった状態のことです。

債務整理となって損をする可能性

実は、借金の残高がある場合に過払いだと勘違いして過払い金請求をしてしまうと、業者側では債務整理の扱いになってしまいます。債務整理となった場合のデメリットは、信用情報機関に登録されることと、一括返済を求められる可能性があることです。

過払い金を正確に算定するための計算方法

過払い金の計算方法は引き直し計算

自分の借金に過払い金があるかどうかを確定させるためには、借入と返済のデータを使って利息制限法の制限利率で借金残高の推移を再計算します。これを引き直し計算と呼びます。

具体的な計算方法としては、最初の借入から時系列で借入金額と返済金額、利息金額を算入します。使用する利率は、利息制限法に定められた制限利率です。利息制限法では、借金の元本が10万円未満なら20%、10万円以上100万円未満なら18%、100万円以上なら15%が上限となっています。すべて年率です。

もし、約定利率(金銭消費貸借契約で定めた利率で、実際の取引に使った利率です)が、この利率以下であれば、過払い金は発生しません。その時点で、過払い金請求をすることもなくなります。計算も不要です。

すべての取引内容が必要になる

引き直し計算には、すべての取引についての正しい内容が必要です。たとえ1回分であっても、借入や返済の日付や金額が違っていたり、漏れていたりすれば、計算結果が変わってしまいます。多少の誤差なら過払いの有無の判断には影響しないかもしれませんが、過払い金請求においては正しい数値が重要です。

しかし、取引の都度、明細を保管している人ばかりではありません。近年のように、消費者金融やコンビニエンスストアに設置してあるATMで借入や返済が可能な状況では、その場で破棄してしまったり、いつの間にか紛失してしまったりということも珍しくないでしょう。

取引履歴の開示請求

取引明細など保管していないという人や、正確なところまではわからないという人が過払い金請求を考えたときは、貸金業者などの取引相手に取引履歴の開示請求を行います。また、自分ではすべて保管・把握していると思っている人であっても、確認のために取引履歴の開示請求をした方がよいといえるでしょう。

請求を受けた業者は、第一回目から直近までの取引履歴を開示することになります。ただ、中には取引履歴の送付を遅らせるとか、データを改ざんするなどというとんでもない事例がある点に注意が必要です。改ざんはレアなケースだとしても、送られてきた取引履歴に不審な点がないかをチェックする必要があるでしょう。

事例で確認する過払い金の計算方法

引き直し計算シートを自作する

過払い金請求の事例では、自作の引き直し計算シートを使っている人もいます。自作に便利なのが、マイクロソフトエクセルなどのスプレッドシートです。

計算方法としては、借入残高に利率をかけて経過日数分の利息を算出し、返済額から利息を差し引きます。次に、返済額の余りを借入残高から差し引きます。その結果が新たな借入残高です。

また、借入があったときは、その日までの利息を計算します。ただし、取引としては借入です。そのため、この利息は未払いのまま残します。次に返済があったときに、当該借入の日からの利息とともに返済額から差し引きます。

なぜ、このような計算方法になるかといえば、借入前後で利息計算の対象となる残高が異なるためです。利息を未払いのまま残して後日処理するあたりが、自作の難所といえるでしょう。この計算を繰り返していけば、最終的な残高が確定します。その数値がマイナスになっていれば、過払い金が存在するということです。閏年は366日で計算します。

ここで注意したいのは、毎回の計算で1円未満の端数が生じた場合の扱いです。安易に四捨五入するようなことは避けなければいけません。引き直し計算が利息制限法の制限利率で行われていることが理由になっています。

端数が生じた状態が法律上の上限ですので、四捨五入で切り上がってしまった場合、上限を超えることになるためです。一方、利息制限法を下回ることに問題はありませんので、端数については切り捨てる扱いが妥当だといえます。業者側でも通常は切り捨てているといわれています。

過払い金の利息も切り捨てる?

引き直し計算をするときは端数を切り捨てるべきですが、過払い金の返還を求める際に付する利息(または遅延損害金)の計算方法としては、四捨五入もあり得ます。しかし、業者が応じやすいという意味では、切り捨てるのが妥当かもしれません。

既存のソフトを利用する

理論上は簡単そうでも、自作するとなると面倒だとか、間違ったら困るとか思うのも無理はありません。そうした人たちの間で便利に使われているのが、既存の引き直し計算ソフトです。

既存のソフトであれば、計算式も入っていますので悩まなくてすみます。既存のソフトは大きく分けて2種類あります。そのまま過払い金請求に使える本格的なソフトと簡易的なソフトです。簡易的なものは過払い金がありそうかどうかをチェックするために使えます。既存の引き直し計算ソフトが多数あるのは、それだけ利用される事例が多いことを物語っています。

過払い金の計算に自信がないときの解決方法

引き直し計算を正確に行う自信がないときや、取引履歴の開示請求をするのに気が引けるときの最適な解決方法は、弁護士に依頼することです。過払い金請求の経験が豊富な弁護士であれば、安心して任せておけます。

また、引き直し計算が難しいと感じる人なら、過払い金請求そのものも自分でやるにはハードルが高いと考えられます。結局は弁護士に頼むことになるかもしれません。それなら、早い段階で依頼した方が、時間や手間の節約ができてお得です。

いきなり依頼するのは不安だという場合は、相談からはじめるのがよいでしょう。相談料の心配があるかもしれませんが、無料相談を実施している事務所も多数あります。

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